おうちMEMO

エルネア王国+ α でまったりスローライフ。そんな日々を記録しています。

悪い知らせと良い知らせ

12日

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ついにこの日が来てしまいました。早朝、アナウンスと同時に、イリーナおばあさんの周りに黒い天使が現れました。

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イリーナおばあさんは、きっともう助からないでしょう。黒い天使が現れた人が助かった話は聞いた事がありません。

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「ほら、横になって。シェアーも近くにいるし、孫の顔でも見て元気出して」
「ありがとう…クレオル。そしたら、お言葉に甘えてそうさせてもらおうかしら…」

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イリーナおばあさんは、そう言って妹のシェアーと少し離れたベッドに横になりました。これからガノスへと還る自分の姿を、産まれたばかりの未来ある赤子に、見せてはいけないと思ったのかもしれません。

「私は、幸せだったよ…こうして、今も皆と一緒に最期の時を迎える事が出来るんだから…」

衰弱しながらも、満足した顔でイリーナおばあさんが笑います。

「陛下のおかげだねぇ…何で私を置いて先に逝ってしまったのかと思っていたけれど…きっと、このためだったのね…」

イリーナおばあさんは、昔を懐かしむように目を細めました。ウェズおじいさんが亡くなったのは、数年ほど前の事でした。配偶者が亡くなれば、一人暮らしになってしまう老人も多い中、彼女は息子とその家族と同居する事になりました。一緒に朝食を摂り、一緒に眠り、孫娘の産まれる瞬間も見る事が出来ました。

「本当に、感謝しかないよ…」

体調も悪く、亡くなる間際だというのにイリーナおばあさんは、嬉しそうに♪を飛ばしています。

「ほら、おばあさん。体に障るから、ゆっくり休んで…私は少し外に出て来るから…」

クレオルは、イリーナおばあさんの顔を見る事が出来ませんでした。背を向けて、言葉を絞り出すのがやっとでした。

クレオル…いえ、殿下…いってらっしゃい…あなたの前途に、シズニのお導きがありますように…」
「行ってきます…っ…」

クレオルには返す言葉がありませんでした。

クレオルは何時ものように温室の花や蜂蜜を収穫し、いつものように畑仕事をしました。

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少しでも気を紛らわせたくて探索もしてみましたが、返って意識してしまう結果となってしまいました。

残された時はあまりありません。

「(帰ろう…少しでもおばあさんの傍にいたい…)」




クレオルく…いえ、殿下」
「イヴォンヌさん…」

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何と、イヴォンヌさんがクレオルに会いに来ました!!( ゚д゚)( ゚д゚)

これはどういうことなんでしょう!?今まで何度話し掛けても、全く振り向いてくれなかったイヴォンヌさんが、身を引いた途端会いに来ました。押してダメなら引いてみろってヤツでしょうか?

「何か…、用かい?見ての通り今は取り込んでいてね…」

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ベッドでは年老いたイリーナおばあさんと、産まれたばかりの妹シェアーが寝ています。

「えっと、何というか…こんな時に来てしまってごめんなさい…」

イヴォンヌさんは、目を泳がせながら、落ち着かないのかそわそわしています。

「いや、良いよ…大丈夫だから…」

見慣れないイヴォンヌさんの態度に、クレオルも、目を泳がせながらそわそわしてしまいます。

「その…、こんな時にこんな話をするのは不謹慎だって分かってるのよ…でも、王太后が体調を崩されてるなんて知らなかったから…それで、その…」

普段の彼女には似ても似つかないくらい、動揺しているのが分かります。

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これは、現実だろうか…。今まで一度も話し掛けてこなかったイヴォンヌさんが、声を掛けてくれた。ジェレミー叔父さんでもない、お母さんでもない、他でもない私に!しかも、仲良くなりたいって…

どうしよう…どうしようっ!?

こんなに嬉しい事ってあるんだろうか?

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しかも、今度食事に誘うって…!

あまりにも非現実的過ぎて、今日起こった事は全て、夢なのではないかとクレオルは思いました。中の人も、これは真実かと目を疑いました(笑)ただの世間話かと思いきや、ストレートに仲良くなりたいと言ってくれました。初めての言葉がこれという事は、やはりクレオルの苦労(1日100回話す)も無駄ではなかったようです。

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しかし、現実は残酷です。

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皆が見守る中、イリーナおばあさんは、ゆっくりとガノスへ導かれていきます。

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普段は微動だにしない父アリツも、この時ばかりはなす術もなく、目を瞑って悔しさに耐えていました。

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クレオルに言った通り、イリーナおばあさんは幸せだったんでしょう。穏やかな顔でガノスへと旅立っていきました。

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父アリツの悲痛な叫びが王家の居室に響きます。善き魂は、ガノスの地で転生する日を待つと言われています。だから、永遠の別れではない…頭ではそう理解していても、愛する人との別れはとても耐え難いものでしょう。

イリーナおばあさんには、3代目PCニキ(クレオルの母)の時からお世話になりました。今まで、義両親とはあまり仲良くなった事はありませんでしたが、イリーナさんとは、一緒に暮らすようになって、仲良くなり一緒に夕飯の食材を採りに行ったりもしました。残念だったのは、イリーナおばあさんの1系目に、3人いる息子の誰ひとりも似ていない事です。もしかしたら、クレオルの子供に隔世遺伝…という事もあるかもしれせん。その時は、ガノスからおばあさんが帰ってきたと思う事にします。

今までありがとうイリーナさん(T_T)